指導前の生徒について
明子さんがガッツ家庭教師で指導を始めたのが、高校2年生の3学期からで、その当時 の成績は、定期テストで赤点すれすれという状態でした。志望校が愛知県内の私立大学 文系学部で、志望校の中に含まれていた南山大学の偏差値が59前後だったため、明子 さんの当時の模試の偏差値と比べると10近く足りませんでした。 そこで、思うような成績がだせないでいた英語を伸ばすために、英語の指導経験が豊富な 野田先生を紹介し、指導がスタートしました。
野田奈保美先生(法政大学大学院卒)
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高校3年時のやる気チャート
明子さんの高校3年時のやる気と実際の勉強量をチャートにしてもらいました。
チャートを見て分かるのが、4月〜7月までのやる気がある時期もありますが、勉強量が 伴わず、結果的に11月までは低空飛行が続いていたということです。 勉強に全く手につかない時の様子を野田先生は11月の指導手帳で以下のように記しています。
目標を下げようとは思っていないようであるが、勉強をしようと思っても鉛筆が持てない とのこと。自分では原因不明。かなりマイナーな状態だとの自己認識あり。もやもや・イラ イラの要因のひとつはクラスの雰囲気。友人関係・教師との関係にあるようだ。
そして、ターニングポイントを迎える
そんな状況を打破すべく、野田先生は試行錯誤する中で、12/6の指導終了後にある提案をおこないます。 それは、 ・自宅で勉強できないため、環境を変えて、帰宅後は祖母の家で勉強する というものでした。野田先生が、この提案をおこなったのには訳がありました。 もともと明子さんは、学校の自習室や図書館などでは勉強できるのに、なぜか家に戻ると勉強できませんでした。 明子さんの家庭は、親御さんの帰りが遅く、帰宅しても一人でいることが多かったため、自分しかいない状況では 安心して勉強に集中できないと分かったからです。
生徒はどのように変わった?
祖母の家で勉強するようになった明子さんは、すごい勢いで勉強することになります。 明子さん本人は、 ・人がそばにいる環境で勉強できる安心感 ・このままでは受験に失敗してしまうのではという危機感 が大きかったと後に話してくれましたが、それらの要因がうまくかみ合った結果、受験勉強に集中することができるようになりました。 その状況をよくあらわしているのが、英語のノートの減り具合です。12月になるまで半年で2冊しか減らなかった英語のノートが12月から受験までの あいだに3冊も使いきってしまうほどハイピッチで勉強が進んだそうです。
受験に向けた勉強法〜英語〜
【文法】
野田先生が以前、塾で使用していた英文法問題集(東京の私立高校で使用しているもの。市販していない)をコピーして、解説を読んでA問題(基礎)・B問題(応用) をやるようにしていました。この問題集は単語力がなくても例文を読むことができるようになっており、当時まで単語力がない明子さんでも、取り組むことができました。 文法書はボリュームが多すぎると途中でやる気がなくなってしまうことがありますが、この問題集の解説は、ボリュームが程良くつくられているので、その心配もなく やりきれる分量だったのも良い点でした。
【単語】
単語は、学校で使用していた「ターゲット1900」を覚えました。発音やアクセントに自信がなかったため、秋から野田先生と一緒に確認しながら覚えていきました。
【長文対策】
12月からは、「基礎英文問題精講」を一日2〜3題ずつ問題をノートにコピーして和訳をおこないました。 実際には、授業内で解説しきれないため、 (明子さん)全文和訳 → (野田先生)添削+指導時に解説 → (明子さん)解説しきれなかった部分の添削を読んで復習 → (明子さん)問題文にでてきた単語・熟語を覚える というサイクルを受験まで続けました。このペースについてこれない子が多い中、明子さんは最後までついてきてくれたのが、 受験までのわずかな期間で英語力が飛躍した要因だと野田先生は語っていました。 実際に使ったノートを見てみると、野田先生の添削の量に圧倒されてしまいます。
受験に向けた勉強法〜社会(世界史)〜
世界史は、歴史の流れをつかむために、教科書を隅々まで読んで重要な箇所をマークしていきました。この時に、欄外にある小さな文字で書かれているところも、 読みとばすことなく、きちんとマークしました。この欄外から問題を出題する大学がたくさんあるからです。 また、「詳説世界史研究ノート」という参考書にもマークをして、重要語句を全部覚えました。 教科書や参考書にマークする際には、覚えなおす時のためにチェックペン(以下参照)を利用しました。 ※チェックペンはZEBRA社の商品です。写真はZEBRA社のHPより。
受験を振り返って
明子さんより
野田先生の言うことを聞いて勉強すれば成績が上がるということは分かっていました。それでも勉強できない自分がいて精神的に不安定になることも ありましたが、野田先生はいつでも相談にのってくれ、私のペースに合わせて指導してもらえたので良かったです。
野田先生より
受験勉強は決して楽しいものではありません。時には辛く感じることも・勉強したくなくなることもあります。 私が家庭教師の指導で意識しているのは、勉強に集中して取り組めるようにするために、何が勉強のさまたげとなっているのかを聞いて相談にのってあげ、 引っかかっているものがあれば、それを取り除いてあげる手助けをしてあげるということです。 今回、明子さんが勉強の環境を変えることで、すごく集中して受験勉強に取り組むことができたように、生徒が勉強に集中できる環境を整えてあげることが まずは一番大事なんだと思います。
明子さんのお母様より
今回、合格という結果が残せたのは、野田先生のおかげだと思っています。勉強を教えるのが得意な先生は多くいらっしゃると思いますが、 野田先生は、子どもの精神的なサポートまでしてくださったので、最後の最後でここまで頑張れて、結果に結びついたのだと思います。 本当にありがとうございました。
この事例で紹介した参考書