1.勉強のやり方を教える
有名な中国の故事に、「飢えているものには、魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えよ」というものがあります。家庭教師の指導はだいたい週1回〜2回、1回90分〜120分です。当たり前ですが、家庭教師といる時間よりも家庭教師といない時間の方が長いです。答えの導き方を伝えることももちろん大事ですが、一人でも勉強ができるように参考書や辞書の使い方、ノートの取り方などを教えましょう。
2.計画の立て方を教える
計画的にものごとに取り組むことは重要です。エジソンやアインシュタインなどの科学者も、谷亮子やイチローなどのスポーツ選手も、松下幸之助や本田宗一郎等の経営者も、名だたる成功者は皆、計画を立てて行動をしています。
テストに向けた計画をしっかり立てて、その歩みをフォローするのも家庭教師の大事な仕事です。ペースを作るために、宿題は必ず出しましょう。また、宿題は、1週間に14ページという出し方ではなく、1日に2ページというように1日単位で出しましょう。
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3.タイミングよくほめる、叱る
叱ることもほめることも教育には重要です。そして、ほめたり、叱ったりする時に大事なのはタイミングです。ほめる時は、変化が見られた時にすぐにそのことを伝えましょう。叱る時は、叱らなければならないことが明らかになった時に、ビシッとそのことを伝えましょう。伝えたら、もうそのことはネチネチ言わずに忘れましょう。皆さんが今まで出会った良い先生のことを思い出して、彼らがしていたように生徒に接するように心がけましょう。
また、ほめる時は、ただ言葉で伝えるだけではなく、ポストイットなどを利用して書いて伝えると効果的です。
4.成長に気づかせる
私たちは、時に、「なんで勉強しなければならないの?」という根本的にして、大変重要な質問を生徒からもらうことがあります。以前、家庭教師の方に「なんで勉強しなければならないと思う?」と質問したところ、「やりたくないことを短時間にこなす方法を学ぶため」「勉強するというのは動物の中で人間にのみ与えられた能力だから」「知的欲求がある」などの様々な意見をもらいました。答えは人それぞれに持っていると思います。
私たちは、「人は成長したい生きもの」だと捉えています。私たちは昨日の自分と比べて、少しでも今日の自分が成長していることに喜びを覚えます。例えば、「サッカーのリフティングが昨日は10回しかできなかったけど、今日は15回できるようになった」とか、「昨日は計算問題を10問解くのに5分25秒かかっていたのに、今日は5分23秒になった」とかそういう自分の成長に喜びを感じます。人と比較するのではなく、生徒自身の成長に目を向けましょう。
5.遠慮は厳禁。生徒と本気でかかわる
生徒とは本気でかかわってください。本気で話を聞き、本気でこちらの想いを伝えましょう。時には、ぶつかり合うこともあるかも知れません。しかし、ぶつかり合って初めてわかり合えることもありますし、その後、大きく成長することもあります。相手のことを本気で思って、本気でぶつかってください。普段偉そうでもけんかの強い不良グループにはビクビクしたり、生徒の人気取りのみをしたりする学校の先生と出会ったことがあると思います。そんな先生に良い印象を持ってはいないと思います。生徒と本気でかかわりましょう。遠慮は厳禁です。常に生徒のためを思って、本気でぶつかってください。
6.小さな変化・成長を見逃さない
人はみんな、少しずつ成長しています。その成長は時にほんのわずかなものでしかない時もあります。そのような成長には本人は気づきにくいものです。変化はテストの点数で現れたり、態度で現れたり、取り組み方で現れたりします。全てが成長です。点数が悪くでも、態度や取り組み方が良くなっていればそれは次につながることです。ささいな変化を見守って、その都度、生徒に伝えましょう。
そばで自分を見守っている人がいると気づけば生徒は安心します。そうすると、生徒はイキイキとして、ますます成長しようとがんばり始めます。
7.何はなくとも、まずストローク
マザーテレサが、好きの反対を何と言ったか知っていますか?マザーテレサは、「好きの反対は、無関心です」と言いました。人が一番嫌うのは、孤独であり、人から無視されることです。逆に言えば、人とかかわり合いが増えることは人にとってはうれしいことです。このかかわり合いのことを、心理学の用語で「ストローク」といいます。生徒とたくさん「ストローク」を交換することで、生徒との信頼関係や絆がどんどん強いものになります。生徒と意識して「ストローク」を交換しましょう。
「ストローク」には、いろいろな種類があります。次の表を見て、「ストローク」の種類を覚え、意識して「ストローク」を生徒にあげましょう。また、叱る時は、必ず、部分否定で行いましょう。絶対に人格を否定するような無条件否定的ストロークをあげてはいけません。
8.一瞬一瞬、全力勝負
甲子園の球児のプレーを見ていると感動をします。これは、彼らが練習も含めて全力勝負をしているから感動するんだと思います。なんとなくやるのではなく、やるからには本気になって全力で勝負しましょう。このことが輝きを放ち、自分自身を大きく成長させます。そして、そのことが周りを感動させます。