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2011年10月14日
大高クリニック院長先生のセミナー
昨日、大高クリニック院長大高先生のセミナーに参加しました。
講演テーマは「発達障がいの理解とその対応・・・生きづらい子どもたちを支える」です。
誰かの役に立つかもと思いましたので、ブログにてシェアします。
■お医者さんと養護の先生
医者の仕事は、治療 => 困っているところを取り除く
先生の仕事は、教育 => 良いところを探し、伸ばす
発達障がいの子どもに対して、お医者さんができることは限られているし、上記の性質上、お医者さんはどうしてもネガティブなところに目が向きやすい。
■環境を作っているのは大人。もっと考えよう
まず、環境について私たち大人は真剣に考えて行動してきたか?それを明らかにしてくれたのが、震災における原発事故。東電が悪いって言うけれど、原発の危険性などについて僕らは頭を使ってきただろうか?今の子どもを取り巻く環境は、4歳までが乗れるベビーカーがあったり、ケータイがあったり、ゲームがあったり。。。これらの環境を整備してきたのも、また大人。大人の子どもの未来に対する責任は重い。
■環境の変化が発達障がいであることを露呈させる
クリニックに通い出す年齢のピークは、6〜8歳(小学校入学)、9歳〜11歳(縦関係(親子中心)から横関係(友達中心)へのシフト)が多い。これは、環境の変化によって、発達障がいであることが露呈するから。「K.Y」に代表される"空気が読めないのは悪"的な風習も一役買っている。学習障がいの子は、障害のために空気が読めない子が多い。そのため、仲間はずれにされたりすることも増え、障害によって社会生活が営みにくくなっている。
障がいがあっても、活動や社会参加に支障をきたさないのであれば、それは発達障がいと見なす必要はない。
10歳の壁という言葉がある。10歳くらいになると、人間関係が親子の縦の関係から、友達の横の関係へと変化し、性を意識し始める(他人からどう見られているかが気になる)。そこで、社会性が必要とされるため、発達障がいであることが露呈されやすくなる。
■発達障がいの子との付き合い方
発達障がいは、決まった形があるわけではない、十人いれば十通りの症状となる。核となる症状はもちろんあるけれども、色んな要素が絡み合い発現の仕方は様々。これからは、普通学級にも発達障がいの子がいて、その子をサポートしていく必要が出てくる。学校という環境に入り、症状が発現する子はもちろんいるが、うまく周り(環境)が関わることで、その症状は軽減されるはず。だから、医療任せでもダメで、現場でその子といかに関わるかの方がよほど重要になる。
■医療のできること
お医者さんができることはたかが知れている。できるとすれば、診断書を書くことと薬を処方するくらい。
薬は、落ち着かせたり、衝動性を減らしたり、攻撃的な態度を緩和したり、集中力を延長させることができる。しかし、子どもに自身を持たせるとか成功体験を積ませるとかそういうことはできない。それは、教育の役割となる。
治療に使用される薬:コンサータ、アトモキセチン(ストラテラ)
■紹介いただいた書籍
・あったかクラス作り(明治図書)
・発達障がいチェックシートできました(生活書院)
・きみももっとうまくいく(東京書籍)
・発達障がいを持つ子の「いいところ」応援計画(ぶどう社)
など。
Written By KOGA