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2008年9月22日
義務教育って何だ?
所用がありまして、ドイツへ行っておりました。滞在先のひとつ"ニュルンベルク"にて、面白いものを見つけました。
第二十六条
教育を受ける権利
ニュルンベルクの城門をくぐってすぐ、ゲルマン民族博物館のとなり、「人権の道」と呼ばれるところにある一本の柱にこの二十六条は記されていました。
憲法第二十六条には、いわゆる「義務教育」のことについても書かれています。
<条文>
1.すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2.すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
1が権利の話で、2が義務の話です。親が子どもから、学校に行きたくないと言われて、よく、
「義務教育だから、学校に行きなさい!」
と言うことを耳にしますが、この答えは不正解です。子どもには教育の権利が与えられています。決して受ける義務ではありません。そして、保護者には教育を受けさせる義務が与えられています。教育を受けていないと、自由さえも剥奪されかねません(無知では考える能力もありません。そのため、奴隷の利用され、こき使われることもあります)。だから、人の大事な権利について、第二十六条は謳っています。それほど教育を受ける権利は重要なものです。そして、とても大切な教育を受ける権利を子どもが一時的な判断で手放さないようにするために、保護者がそれを受けさせる義務を負っています。ダブルチェックのようなものです。子どもたちが絶対的な不利益を被らないように、保護者は責任を持って教育を受けさせる義務を負っています。
「教育を受けさせなければならない」
このことについて、私たちはもう少し真剣に考えなくてはいけないのかも知れません。学校任せ、塾任せ、親任せ、というような誰か任せではなく、自分が自分たちの将来を支えてくれる子どもたちに何らかの教育を施すためにできることは何かを探す、または、実際に教育的行動をとる。これが、本当の意味での義務教育かも知れません。
制度・環境の整っていない国では、子どもが教育を受けたいと思っても、受けられません。教育を受けないと言うことは、社会で生きていくためには圧倒的に不利になるということを感じたことがありました。
NATOがアフガニスタンのタリバン政権に対してしかけた戦争直後、ジャーナリストがアフガニスタンに行き、現地に住むアフガニスタンの家庭を取材した内容が報道番組で放送されていました。取材を受けた家族の父は、レンガ造りを生業にしていました。来る日も来る日もレンガを作っています。レンガを作って、販売して、そのお金で生活をしていました。レンガを一人で作るのでは生活費をまかなえないので、子どもにもレンガ造りを手伝わせていました。ジャーナリストが尋ねます、
「お子さんを学校に行かせなくていいんですか?」
父親は、「学校に行かせてやりたいけど、その余裕がないんだ」と答えていました。ジャーナリストは、子どもにも尋ねました。子どもは、「学校に行きたいけど、仕方ない」と答えていました。そして、ジャーナリストが子どもから離れようとした時に、彼は、純粋なまなざしで次のようにTVに向かって言いました。
「みんな、レンガ造り大変だろうけど、頑張ろうね」
それを聞いた瞬間、教育の権利は必ず与える必要があると感じました。
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