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2008年7月 7日
安全領域を確保して、見守ろう(偶有性)
教育の現場には、
放つ・待つ・育つ
という言葉があります。人を育てるには、過保護なだけでもダメで、時には好きにやらせてそれを見守ることも重要だと言うことを表しています。
マンツーマンで、ああしなさい、こうしなさいと言って、それ通りにやって結果が出ればはじめは嬉しいものです。でも、そのうち、楽しくなくなります。
例えば、輪投げゲーム。近すぎると誰でも入れられるのであまり面白くはないです。かといって、遠すぎると、全然入らないので面白くない。だから、適度な距離が重要です。
人生は旅である(中田英寿)
かわいい子には旅をさせよ
と言うように、子どもには冒険をさせないといけません。与えられるばかりでは面白くないし、かといって、難しすぎるだけでは辛いだけです。そこで、適度に旅をさせることが大事なります。
適度に旅をさせるための基本は、
安全(セキュア)と挑戦(チャレンジ)のバランスがとれていること
です。
子どもにとって安全な領域をきちんと確保してあげて、そして、子どもにチャレンジを促して、チャレンジをしていく子どもを見守る。安全な領域とは、親御さんが見守ってくれるという安心感や信頼できる仲間の存在のことを指します。
脳科学では、この安全(セキュア)と挑戦(チャレンジ)のバランスが取れている状態のことを
偶有性
と言います。安全と挑戦のバランスが取れている時、すなわち、予想可能なことと意外性のあることのバランスが取れている時に、脳は、「楽しい」と感じます。
輪投げゲームにも、この偶有性が当てはまります。そして、教育の現場で経験より編み出された「放つ、待つ、育つ」の言葉もまた、この偶有性が当てはまります。
経験的に知っていることが、脳科学の発達により、科学的に見ても正しいということが証明されているのは何とも面白いことだと思いませんか?
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